2024.10.01

Column

残業以外にも歩合給の割増賃金を計算していますか?

こんにちは。グスクード社会保険労務士法人です。
みなさまの会社では歩合給を支給されていますでしょうか?
名称がインセンティブ等であっても歩合支給をしているのであれば歩合給として考えなければなりません。

今回は歩合給で良く見落としがちな割増賃金の計算を見ていきます。

 

歩合給とは

歩合給について改めてどんな制度か確認してみますと

〇名称如何に関わらず成果や売り上げに応じて支払われる給与

と説明できます。
イメージはつきやすいですが、判例等を盛り込んでもう少し深堀すると

〇労働者の自助努力に応じた成果や売り上げに対して一定比率を乗じて支給される給与

と解されています。
つまり、自分で頑張った分に対して根拠が分かるやり方で計算されている給与、とお考え下さい。

その他、歩合給に関係する法律としては

”労働基準法 第27条(出来高払制の保障給)
出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。”

”労働基準法施行規則 第19条1項6号
出来高払制その他の請負制によつて定められた賃金については、その賃金算定期間(賃金締切日がある場合には、賃金締切期間、以下同じ)において出来高払制その他の請負制によつて計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における、総労働時間数で除した金額”

のような規定があります。

 

歩合給にも割増賃金を計算しなければならない

前述の労働基準法施行規則 第19条1項6号 は一般的に言う残業代の事を指しています。
歩合給の部分に対しても残業代(割増賃金)は計算しなければなりません。

出典:厚生労働省、しっかりマスター 割増賃金編

このことは以前別のコラムでも取り上げております。
歩合給制の割増賃金計算について

割増賃金は残業代以外にも計算しなければいけません。

この割増賃金計算は前述のリーフレットでもあるように多くの例では時間外労働(つまり残業)の事にしか触れていません。
その為、残業以外の割増賃金は計算しなくて良いと思われている方が少なくありません。

〇深夜割増:25%
〇法定休日割増:35%
〇60時間超の時間外労働割増:50%

も「割増賃金」ですから歩合給が発生した月に該当する時間がありましたらしっかり計算する必要があります。
その他、割増賃金ではありませんが

〇年次有給休暇
〇会社が運用している有給の特別休暇

も休んでいなかったら発生していたであろう歩合給を計算して支給しなければなりません。
会社都合による休業の場合は休業手当を平均賃金の6割以上支給しなければなりませんが、この平均賃金の中には
歩合給も含まっていますのでこちら計算漏れはないかなと思います。

就業規則にも忘れずに規定しましょう

いかがでしたでしょうか?意外と盲点だったのではないでしょうか?
給与計算をする際の根拠となるのが就業規則(賃金規程)ですが、就業規則にもしっかりと
歩合給の割増賃金の事を書いておかないと、

どのように計算したら良かったかな?→規程には時間外25%しか書いてないからこれだけ計算すればよい。

と確認したのにも関わらず未払いが発生してしまうという事になります。
一度、自社の規程を確認されてみてください。

 

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顧問契約
最後までお読みいただきありがとうございました。

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