コラムcolumn
副業の場合、残業計算はどうするの?
みなさん、こんにちは。
グスクード社会保険労務士法人です。
今回は、副業における労働時間の通算と割増賃金の支払い方法について簡単に解説したいと思います。昨今、副業を行う人も増えておりますので、しっかりと労務管理のポイントを押さえておきましょう。
まず、本業がA社、副業先がB社である以下の事例で解説いたします。
労働契約 | 1日所定労働時間 | |
A社(本業) | B社よりも先に締結 | 8時間 |
B社(副業) | A社の後に締結 | 2時間 |
労働基準法では、事業場が異なっていても労働時間は通算するというルールがあります。つまり、副業をしている場合、本業・副業それぞれの事業所で労働時間を個別に管理すれば良いということではなく、通算して管理する必要があります。労働基準法では、1日8時間、1週間40時間の法定労働時間を超えた場合は、割増賃金をお支払いする必要があります。今回のように本業と副業で働いている場合、どのような計算になるのでしょうか?
労働時間の通算は、以下の順序で行います。
1. 所定労働時間の通算:先に労働契約をした方から、後に契約をした方の順に通算。
2. 所定外労働の通算:実際に所定外労働が行われる順に通算。
3. 上記通算の結果、法定労働時間を超えて労働させた会社が割増賃金の支払い義務を負う。
例えば、A社で8時間働いた後にB社で2時間働いた場合、その日の合計労働時間は10時間になります。この場合、法定労働時間の8時間を超えた2時間分の割増賃金をお支払いするのはB社になります。ポイントは、実際に働いた順序ではなく、労働契約を締結した先後によって判断することです。
仮に、先にB社で2時間働いて、その後A社で8時間働いた場合でも、割増賃金をお支払いするのはB社であり、2時間分の割増賃金をお支払いする結果は変わりません。
以上、副業における労働時間の通算の考え方は、労務管理をするにあたって見落としやすい部分ですので、注意して労務管理を行う必要があります。なお、労働時間の通算においては、従業員から働いた時間を申告してもらうようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
グスクード社会保険労務士法人はさまざまな人事労務のご相談に対応しております。
お気軽にお問い合わせください。