2024.12.10

Column

定年後の無期転換申し出にどう対応すべきか?

定年後に再雇用された従業員から「無期転換してほしい」と申し出があった場合、企業はどのように対応すべきでしょうか。

この問題に対応するには、法律の基本ルールを理解し、適切な対策を講じることが重要です。

本記事では、このケースのリスクや解決策について解説します。

無期転換ルールとは?

まず基本となるのが「無期転換ルール」です。
このルールでは、同じ会社で5年以上有期契約を更新して働いた従業員は、無期転換を申し出る権利を持ちます。
この申し出があった場合、企業はそれを拒否することができません。つまり、有期契約を無期契約に切り替える必要があります。

定年後再雇用で無期転換がもたらすリスク

特に注意すべきなのは、定年後に再雇用された従業員がこのルールを適用する場合です。
この場合、無期転換契約には「定年」という概念がなくなるため、実質的に終身雇用のリスクが発生します。
高齢の従業員が増える中で、このリスクを放置することは、企業の雇用管理において大きな負担となり得ます。

第二種計画認定を活用した解決策

このようなリスクを回避するために有効なのが、「第二種計画認定」という制度です。
この制度を活用すれば、定年後に再雇用された従業員については無期転換ルールが適用されなくなります。
具体的には、第二種計画認定申請書を作成し、都道府県労働局長から認定を受けることで、この特例を適用することが可能です。

第二種計画認定は、定年後に再雇用された従業員の雇用管理を行うための有力な手段です。
無期転換のリスクを軽減しながら、従業員に継続して働く機会を提供することができます。

第二種計画認定が適用されないケースとは?

ただし、第二種計画認定が適用されるのは、定年後に再雇用された従業員に限られます。
例えば、以下のようなケースではこの制度が利用できません。

  • 定年を超えて、新たに雇用された従業員(無期雇用者)
  • 定年が設けられていない有期契約労働者

これらのケースに該当する従業員については、別の対策が必要です。

第二定年で適用外の人をカバーする

第二種計画認定の対象外となる従業員に対しては、「第二定年」を導入することが有効な解決策となります。
これにより、無期転換のリスクを回避し、適切な雇用管理を実現することが可能です。

まとめ

定年後に再雇用された従業員から無期転換を求められた場合、企業はその申し出に対応する必要がありますが、終身雇用のリスクを抱え込む可能性があります。
このリスクを軽減するためには、第二種計画認定の活用が効果的です。
しかし、すべてのケースでこの認定が適用されるわけではありません。
対象外となる従業員については、第二定年を検討することで、より広い範囲での雇用管理が可能になります。

また、定年を検討することで活用できる助成金もありますので、お気軽にお問い合わせください。
人事労務コンサルティング

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