2025.03.10

Column

高年齢雇用継続給付の支給率変更 – 企業と従業員への影響とは?

こんにちは、グスクード社会保険労務士法人です。
2025年2月6日、令和7年4月1日以降の高年齢雇用継続給付の支給率変更が発表されました。
これは、高齢者の雇用継続に大きな影響を及ぼす可能性があり、企業としても早めの対応が求められます。
本コラムでは、支給率変更の概要や企業・従業員への影響、今後の対応策について解説します。

高年齢雇用継続給付とは?
高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者が、60歳時点と比較して賃金が75%未満に
低下した場合に支給される給付金です。現行制度では、低下率に応じて賃金の最大**15%**が補填されます。

しかし、今回の改正により、令和7年4月以降、この支給率が段階的に引き下げられ、最終的には廃止される予定です。
背景には、高年齢者の就労機会が増えたことや、定年延長・継続雇用制度の普及が進んでいることが挙げられます。

 

 

 

 

 

(厚生労働省ホームページ)

企業・従業員への影響

企業側の影響
給与体系の見直しが必要になる可能性。
給付の減少により、高年齢者のモチベーションが低下し、離職リスクが高まる。
人材確保のため、再雇用時の賃金設定を慎重に行う必要がある。

従業員側の影響
給付が減少することで、60歳以降の収入が想定よりも減少する可能性。
生活設計に影響を及ぼし、長く働く必要性が生じる。
再雇用を希望する際、より良い条件の企業を探す動きが活発化する。

企業が取るべき対応策
この改正を踏まえ、企業は以下の対応を検討する必要があります。

1.賃金制度の見直し
定年前後で大きく給与が下がらない仕組みを整える。
評価制度の透明化を図り、高年齢者の貢献度を正当に評価。

2.柔軟な働き方の導入
短時間勤務や在宅勤務の選択肢を増やし、高齢者の働きやすさを確保。
負担の少ない職種や役割の配置を工夫。

3.独自の福利厚生の充実
退職金制度や企業年金の見直し。
継続雇用者向けの教育・研修制度の充実。

まとめ
高年齢雇用継続給付の支給率引き下げは、企業と従業員双方にとって重要な課題です。
今後の施行スケジュールを確認し、早めの対応を行うことが求められます。企業としては、
高年齢者が安心して働ける環境づくりを進めることが、持続可能な人材確保につながるでしょう。
社労士としても、制度改正への対応や賃金設計に関するサポートが可能ですので、お気軽にご相談ください。

人事評価制度の構築

最近の投稿

月間アーカイブ