コラムcolumn
企業側の採用活動ルールを確認!就職活動の自由を守るために – 「オワハラ」問題とは?
最近、新聞の折り込みチラシを整理していると、フレッシャーズのリクルートスーツを特集するものが多くみられるようになりました。
就活のエントリーが始まる頃なのだなと、不安と期待を感じていた過去の自分を重ねてしまいました。
就職活動は、学生にとって人生の大きな転機となる重要な時期です。
しかし近年、一部の企業において、学生の職業選択の自由を妨げる「オワハラ(就活終われハラスメント)」が問題視されています。
本記事では、オワハラの実態や影響、そして企業や学生が取るべき対応について解説します。
オワハラとは?
オワハラとは、企業が内定や内々定を出す代わりに、学生の意思に反して他の企業への就職活動の終了を強要する行為を指します。これは、憲法で保障された「職業選択の自由」を侵害するものであり、場合によっては刑法上の脅迫罪・強要罪、民法上の不法行為にも該当する可能性があります。
オワハラの具体例
以下のような行為が、オワハラに該当する可能性があります。
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- ・自由応募型の採用選考において、内定・内々定と引き換えに、大学等からの推薦状の提出を求める
- ・自社の内定・内々定と引き換えに、他社への就職活動をやめるよう強要する
- ・内定承諾書の早期提出を執拗に求める
- ・研修や説明会への参加を強制し、他社の選考を受けられないようにする
- ・内々定辞退の申し出を受け入れず、何度も説得を試みる
- ・内定辞退をした場合、損害賠償を請求すると脅す
- ・内定辞退の防止を目的として、内定承諾について保護者の同意を強要する
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オワハラの影響
オワハラは、学生の精神的な負担を増やすだけでなく、企業にとっても大きなリスクとなります。
- 【学生側の影響】
- ・選択肢を狭められることで、自分に合った企業を見つける機会を失う。
- ・不本意な職場選びが原因で、早期離職につながる可能性がある。
- ・精神的なストレスが増大し、就職活動に悪影響を及ぼす。
- 【企業側の影響】
- ・企業イメージの低下や社会的信用の失墜。
- ・無理な採用による早期退職者の増加。
- ・労働基準監督署やハローワークからの指導対象となる可能性。
企業・学生が取るべき対応策
- 【企業の対応】
- ・学生の自主性を尊重し、選択の自由を妨げない。
- ・内定承諾の強要ではなく、企業の魅力を伝えることで選んでもらう姿勢を持つ。
- ・採用活動の透明性を高め、公正な選考を行う。
- 【学生の対応】
- ・内定承諾を急がず、慎重に考える。
- ・企業からの不当な要求には毅然とした態度で対応する。
- ・必要があれば、大学のキャリアセンターやハローワークに相談する。
まとめ
オワハラは、学生の自由な職業選択を妨げる深刻な問題です。企業にとっても、学生にとっても、より良い採用・就職活動を行うためには、お互いの権利を尊重し、誠実な対応を心がけることが不可欠です。
企業は公正な採用活動を行い、学生は適切な判断力を持つことで、より良い雇用環境を築いていきましょう。
それが安心と信頼を勝ち取り、離職率低下と企業ブランドの向上につながることでしょう。
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