当社は、Made In Local沖縄を代表する企業 選出企業のグループ会社です

2025.07.01

Column

スポットワークでも割増賃金を払わないといけないの?

みなさんこんにちは。グスクード社会保険労務士法人です。

今回は近年、急増している「スポットワーク(単発の仕事)」についてです。

「1日だけの勤務なのに残業代って必要?」「アルバイト登録者だし、固定の労働契約じゃないから割増不要では?」といった声も聞こえてきます。

ですが――。
労働時間のルールは、スポットワーカーにも、きちんと適用されるのです。
今回はスポットワークの割増賃金についてお話ししていきます。

■ スポットワーク=労働者?委託?

スポットワークといっても、「業務委託型」と「雇用契約型」があります。
これは同じ会社であっても人ごと・お仕事ごとに違いますので契約ごとに確認する必要があります。

今回取り上げるのは、「雇用契約型スポットワーク」
いわゆる短時間アルバイトや、日雇いのような考え方をされますね。
この場合、労働基準法が適用され、時間外労働(残業)や深夜労働には割増賃金の支払い義務が発生します。

業務委託契約であれば、労働基準法の対象外となり、割増賃金の義務はありません。
ただし、偽装請負にならないように慎重な判断と契約が必要になります。

■ 割増賃金が発生するケースとは?

以下のような勤務実態がある場合には、たとえスポットワークであっても割増賃金の支払いが必要です。
ただし、会社によって運用している制度は異なりますので割増賃金の発生条件は自社制度と照らし合わせてください。

① 1日8時間を超える労働

例:9:00〜19:00(休憩1時間)=実働9時間
→ 超過1時間分は「25%増」で支払う必要があります。

② 週40時間を超える労働

週5日×9時間勤務など、合計が40時間を超えた場合も時間外労働に該当します。

③ 深夜労働(22:00〜翌5:00)

深夜時間帯に働かせる場合は、基本賃金に25%以上を加算する必要があります。

■ 勘違いしやすいポイント

  • 「単発だから割増は不要」は✕
     雇用形態がスポットワークだからは関係がなく、労働時間の実態に基づいて判断されます。

  • 「労働契約書がないから大丈夫」も✕
     たとえ書面が交わされていなくても、現実に指揮命令下で働いていれば、労働契約が成立したとみなされます。
    逆に、労働条件を明示していないという法律違反にもなります。

■ 複数の会社で働いている場合の割増賃金は?

労働時間は異なる会社であっても通算される・・・そんなルールはご存じでしょうか?
当然スポットワークにも労基法38条1項の解釈が適用されます。
ですが、日々異なる場所で働くスポットワーカーについて、他の会社での勤務時間を確認をするのは困難を極めます。

そんな中、令和7年3月27日、東京地裁で
「スポットワークについて事業主が労働時間を通算した時に所定労働時間を超える事を知らなかったときは割増賃金の支払い義務を負わない」
と判決が下されました。

今後は変わる可能性もありますが、労働時間の通算は把握できなかった場合については支払わなくても良いと一旦お考え下さい。

■ まとめ

まだまだ黎明期のスポットワーク、特別扱いは無く、残業代や深夜手当の支払いは原則必要です。

「1日だけの勤務だから大目に見てよ」は通用せず、雇う側としては、勤務時間の管理と、法定通りの賃金計算が必要です。
賃金台帳の作成も必要になりますので気軽に労働力を確保にはなりません。

どんどん新しい仕組みが出来て、制度を把握するのも大変ですね。
そんなときは専門家に依頼を検討しましょう! 顧問契約 はこちらから。

最後までお読みいただきありがとうございました。

最近の投稿

月間アーカイブ