コラムcolumn
人手不足時代の「働きやすい職場づくり」

こんにちは。グスクード社会保険労務士法人です。
さて、近年、少子高齢化の影響もあり、多くの業界で深刻な人手不足が続いています。
厚生労働省の調査によると、2025年時点で中小企業の約6割が「人材確保が最も大きな課題」と回答しています。
人手不足の時代において、単に「採用強化」をするだけでは不十分です。
大切なのは、「辞めない職場=働きやすい職場」をつくることです。
本コラムでは、事業主が今すぐ取り組める「働きやすい職場づくり」の実務ポイントを、最新の事例と助成金情報を交えて解説します。
1. 人手不足時代に求められる3つの視点
人手不足が深刻化するなかで、ただ採用を強化するだけでは、企業は生き残れません。
大切なのは、「採用 → 定着 → 生産性向上」という3つの視点をバランスよく押さえることです。
視点①:採用力の強化 — “選ばれる会社”になる
いくら求人を出しても応募が集まらない…。
この悩みは多くの企業が抱えています。ポイントは、「会社の魅力を伝える」ことです。
・求人票に給与・休日・福利厚生を具体的に記載
・SNSや採用サイトを活用して企業のストーリーを発信
・柔軟な働き方(リモート・時短勤務など)を明示して応募者層を広げる
実際に、採用サイトで社員インタビューを公開した企業では、応募率が約1.5倍に増加した事例もあります。
視点②:定着率の向上 — “辞めない職場”をつくる
採用してもすぐに辞められてしまっては意味がありません。
今、求職者は「働きやすさ」「安心感」「キャリア支援」を重視しています。
・評価基準を明確化し、不公平感をなくす
・資格手当・インセンティブなどモチベーションを高める制度を導入
・定期面談でキャリア相談の機会を設け、成長実感を持たせる
特に若手社員は「将来の見通し」を重視する傾向が強く、教育・研修体制の充実が離職防止につながります。
視点③:生産性の向上 — “少ない人員で成果を出す”仕組みづくり
人手不足を完全に解消するのは難しいため、限られた人員で効率を高める工夫が必要です。
・業務効率化ツールやAI・RPAの導入で作業時間を短縮
・電子申請・ペーパーレス化など、バックオフィス業務を最適化
・会議の時間短縮や業務プロセスの見直しで“無駄”を削減
実際に、勤怠管理システムを導入した企業では、残業時間が月平均15%削減されたというデータもあります。
2. 「働きやすい職場」の具体的な取り組み5選
① 柔軟な働き方の導入
– フレックスタイム制、短時間勤務、リモートワークなど
– 特に子育て世代やシニア層の採用・定着に効果的
② 公平でわかりやすい賃金制度
– 同一労働同一賃金に対応した給与体系
– インセンティブや資格手当の活用でモチベーション向上
③ キャリア形成支援と教育体制
– 外部研修・eラーニング・資格取得支援などを導入
– 人材開発支援助成金を活用すると研修費の一部を国が負担
④ 職場環境の改善
– 有給休暇の取得促進、メンタルヘルス対策、相談窓口の設置
– ハラスメント防止体制を整備してトラブルを未然に防止
⑤ 評価制度とフィードバックの充実
– 評価基準を明確にし、定期的な面談でフィードバック
– 成果だけでなく過程も評価する仕組みづくり
3. 働きやすい職場づくりに使える助成金
– 働き方改革推進支援助成金:労働時間短縮・有給促進・テレワーク導入(最大550万円+賃金アップ720万円)
– 人材開発支援助成金:社員研修・資格取得支援・OJT(1人最大130万円)
– 両立支援等助成金:育児・介護と仕事の両立支援(最大140万円)
これらを活用することで、コストを抑えながら職場環境を改善できます。
4. まとめ
人手不足時代は「採用」より「定着」を重視することが重要です。
柔軟な働き方・公平な評価制度・助成金活用を組み合わせることで、
働きやすい職場環境を整備し、離職率の低下と生産性向上を同時に実現できます。
弊社では、働きやすい職場づくりのための労務管理・助成金活用・就業規則改定をトータルでサポートしています。
お気軽にご相談ください。




