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「今日は有休扱いで」はOK?会社が知っておきたい年次有給休暇のルール

こんにちは、グスクード社会保険労務士法人です。
台風や地震などで出勤が難しい日や、仕事が少ない閑散期などには、「会社を休みにする代わりに、有給休暇扱いにしてもよいのでは」と考える場面があります。
ただし、年次有給休暇は、原則として従業員本人が取得を希望し、申し出たうえで取得するものです。
そのため、会社が本人の希望を確認しないまま、一方的に有給休暇として処理することはできません。
まずは、有給休暇の基本である「本人申請」の考え方を押さえておきましょう。
年次有給休暇は「本人申請」が基本
年次有給休暇は、従業員本人が取得したい時季を指定して申請するのが基本です。
たとえば、台風で通勤が難しい場合に、従業員本人が「本日は有給休暇を使いたい」と申し出た場合は、有給休暇として処理できます。
一方で、会社が「今日は台風だから全員有休扱いにします」「仕事が少ないので明日は有休にしてください」と一方的に決めることは、本人申請による取得とはいえないため注意が必要です。
会社が取得日を指定できる場合
会社が有給休暇の取得に関与できる制度として、「使用者による時季指定」と「計画的付与」があります。
2019年4月から、年10日以上の年次有給休暇が付与される従業員については、会社が毎年5日以上の年次有給休暇を取得させることが義務となっています。
この年5日の取得義務を果たすため、会社は従業員の意見を聴いたうえで、有給休暇の取得時季を指定することができます。
ただし、これは会社が自由に有給休暇を使わせられる制度ではなく、従業員の希望を確認し、できる限り尊重する必要があります。
また、「計画的付与」は、労使協定を締結することにより、年次有給休暇のうち5日を超える部分について、会社が計画的に取得日を定めることができる制度です。
夏季休業、年末年始休業、閑散期の一斉休業日などに活用されることがあります。
ただし、計画的付与を行うには、就業規則への定めや労使協定の締結など、事前の準備が必要です。
台風の日や閑散期に有休扱いにしてよい?
台風や大雪の日に従業員が出勤できない場合、本人が希望すれば有給休暇として処理することは可能です。
一方で、会社の判断で休業とする場合には、有給休暇ではなく、休業手当の要否を検討する必要があります。
会社都合の休業に該当する場合には、休業手当の支払いが必要となる可能性があります。
また、閑散期に従業員へ休暇を取得してもらいたい場合には、個別に有給休暇の取得を促す方法のほか、計画的付与制度を導入しておく方法もあります。
ただし、計画的付与制度を導入していないにもかかわらず、会社が一方的に有給休暇として処理することは避けるべきです。
まとめ
年次有給休暇は、原則として従業員本人が申請して取得するものです。会社が本人の希望を確認せず、勝手に有休消化させることはできません。
ただし、年5日の取得義務に基づく会社の時季指定や、労使協定による計画的付与制度を活用することで、会社が一定の範囲で取得日を指定することは可能です。
大切なのは、「本人申請」「会社の時季指定」「計画的付与」の違いを正しく理解し、就業規則や労使協定を整備したうえで運用することです。
有給休暇の取扱いは、従業員とのトラブルにつながりやすい部分でもあります。
台風・大雪などの災害時や、閑散期の休業対応、有給休暇の計画的付与制度の導入についてお悩みの場合は、会社の実情に合わせたルール整備をご検討ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。




