2022.03.22

Column

同月に2回以上賞与が支給された場合の厚生年金保険料の考え方

こんにちは。グスクード社会保険労務士事務所です。

今回は、同月に2回以上賞与が支給された場合の厚生年金保険料の考え方についてお話しいたします。

一般的には、同月に2回以上賞与が出るという事はほぼないと思いますが、複数の会社を経営している代表者や、役員をしている方が該当する場合がございます。

賞与の社会保険料(標準賞与額)には上限が設けられています。健康保険では、年度(4月1日〜翌年3月31日まで)の累計額が573万円、厚生年金保険では1ヶ月あたり150万円となります。

厚生年金保険料は、「1ヶ月あたり150万円」という上限がありますので、同月に、それぞれの事業所から賞与が出た場合は、注意が必要です。

例えば Aさんが、B社、C社の役員をしています。3月に、B社、C社から役員賞与の支給がありました。(年度内に他の賞与の支給無し)

B社 3月10日 賞与支給 100万円

C社 3月31日 賞与支給 100万円

この場合の厚生年金保険料の考え方はどうなるでしょうか。

1.B社、C社それぞれ、100万円に対しての厚生年金保険料控除が必要。

2.B社からは100万円、C社からは50万円に対しての厚生年金保険料控除が必要。

3.B社、C社それぞれ、75万円に対してての厚生年金保険料控除が必要。

正解は、「3」です。

厚生年金保険料は、1か月の上限が150万円となりますので、Aさんから控除できる厚生年金保険料は、上限の150万円となり、保険料は支給されている賞与額に対して、按分されます。

という事は、複数の企業を経営し、役員賞与を支給する場合、別々の月ではなく、同月に役員賞与を支給する事で社会保険料を抑える事が可能となります。

弊所では、社会保険料の見直しができる、役員報酬適正化のご案内もしておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

関連ページ:

https://guscoord.jp/wp/service/consulting/wage/

最近の投稿

月間アーカイブ