コラムcolumn
シフト制の疑問を解決!「一方的な決定・変更・削減」はどこまで許される?

こんにちは、グスクード社会保険労務士法人です。
従業員の多様な働き方に対応できる「シフト制」は、多くの企業で導入されています。しかし、その柔軟性ゆえに、労務管理上の疑問やトラブルも少なくありません。今回は、特にご相談の多い「会社がシフトを一方的に決定・変更したり、減らしたりすることはできるのか」という点について、Q&A形式で詳しく解説します。
1. 会社がシフトを「一方的に決定・変更する」ことは認められる?
【質問】
パート・アルバイトなど、具体的な出勤日や時間がシフト表によって決められる場合、会社が一方的にシフトを決定したり変更したりすることは認められるのでしょうか?
【回答】
労働契約で「月・水・金の週3日勤務」など、具体的なシフトが明確に定められている場合は、基本的に会社の都合で一方的に変更することはできません。これは、それが労働契約の内容となっているためです。
一方、労働契約で出勤日や労働時間が抽象的にしか定められておらず、シフトに委ねられている場合は、会社の「人事権」の範囲が問題となります。
一般的に、会社の人事権の行使は、経営上の裁量として認められており、社会通念上著しく不当でない限り、違法とはされません。シフトの決定や変更もこれに準じます。
過去の裁判例では、就業規則や雇用契約書に「会社が業務上の都合によりシフトの変更を命じることができる」旨の規定があり、実際にそれに従って変更が行われていた場合、さらに採用時にシフトを限定する合意がなかった場合は、従業員の個別の同意なしに会社がシフトを決定・変更できるとされています。
したがって、就業規則や雇用契約書に明確な規定を設け、採用時にしっかりと説明しておくことが重要です。
また、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用し月ごとにシフトを作成する場合などは、より厳格な運用が求められます。会社が業務の都合によって、随時シフトを変更するような場合は、変形労働時間制として認められませんので、注意が必要です。
2. 会社がシフトを「一方的に減らす」ことは認められる?
【質問】
勤務態度が改善しない従業員に対し、会社がシフトを大幅に減らすことはできますか?
【回答】
まず、労働契約で「週に4日以上勤務」など、最低労働日数が保障されている場合は、会社が一方的に大幅なシフト削減を行うと、労働契約違反となる可能性が高いです。
労働契約に週の最低労働日数や労働時間の保障がない場合でも、シフトの大幅な削減には「合理的な理由」が必要です。
過去の裁判例では、勤務態度が悪く、複数回の指導にもかかわらず改善が見られなかったケースで、シフト削減が有効とされた事例があります。しかし、一方で、シフト制の従業員にとってシフト削減は収入に直結するため、合理的な理由なく大幅に削減した場合は、会社の権限濫用として違法と判断された事例もあります。
シフト削減は従業員の生活に大きな影響を与えるため、慎重な判断が求められます。安易な削減はトラブルにつながる可能性があるため、注意が必要です。
「シフト制」を適切に運用するために、厚生労働省は、シフト制で働く従業員の適切な雇用管理のために、「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」を公表しています。これは法的な拘束力はありませんが、実務上の参考になりますので、確認をしましょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22954.html
労使間で明確なルールを定めておくことで、シフト制を巡るトラブルを未然に防ぎ、従業員が安心して働ける環境を整備することができます。不明な点があれば、当法人へご相談ください。




