人事評価制度の構築
「人事制度の構築」は、当事務所が力を入れている業務の一つです。
人事制度は企業が組織として成長していくために必要不可欠なものです。人事制度が整っていない会社は、人が集まりにくく、不満も堪りやすいので、成長のスピードが鈍化してしまいます。
人事制度というと大きな企業のものだというイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。人事制度は、限られた人材資源に最大限のパフォーマンスを発揮してもらうために必要なものなので、成長過程にある中小零細企業にこそ必要なものなのです。
起業して数年の成長企業は、売り上げを伸ばすことに気を取られて、社内の体制整備を疎かにすることがよくあります。しかし、地盤がしっかりしていない土地に、大きな建物が立たないように、社内体制を整えずに膨れ上がった企業は、いずれ必ず内部から崩壊します。企業のしっかりとした地盤整備、それが人事制度の構築です。
また創業者から2代目、3代目に事業承継をされた社歴の長い企業にも、人事制度の整備は欠かせません。創業者の時代には、「鶴の一声」で全ての物事が決まっていたかもしれませんが、2代目、3代目の時代となると、そうはいきません。創業者の時代に採用された古株の社員たちが、その後を継いだ経営者の方針になかなか従ってくれないということがよくあります。企業が生産性を落とさずに代替わりするにあたっては、「今後、この会社はのこのように経営をしていく」というルール・方針を経営者が古株社員を含めて明確に示すことが必要であり、それを具体的な制度に落とし込んでいくのが人事制度の大きな役割です。
人事制度の整備が必要な企業の例
- 売上は伸びてはいるが、次の成長ステップに移行するのに大きな壁を感じている企業
- 創業者から2代目、3代目に事業承継をしたばかりの老舗企業
- 経営幹部や中間管理職が育たない企業
- 離職率が高く、採用競争力の弱い企業
- 社員が30名を超えてきて、経営者と社員とのつながりが薄くなっている企業
- モチベーションの低い「ぶら下がり社員」が多い企業
- 社長のワンマン経営から脱却したい企業
- 社員の給与の上げ方や、賞与の支給額に悩んでいる企業
等々
人事制度の構成要素
人事制度は一般的に下記の要素から構成されます。
資格等級制度
会社の運営に必要とされる社員の能力・職務・責任をランク別(等級別)に定義し、それをもとに社員を格付けするもの
給与制度(賃金テーブル)
企業の人件費を社員に分配するルール。賃金テーブルとは、資格等級に応じた基本給の幅を示すもの。
人事評価制度
会社が社員に期待する行動、成果、勤務態度等を示し、その基準に照らして、一定期間における社員のパフォーマンスを評価するもの
人事制度ときくと、「人事評価制度」のみをイメージする方も多いと思います。しかし、人事評価制度だけいくら立派に整備したとしても、人事評価の結果を反映する「給与制度」や、責任範囲や求められる能力に応じて会社の仕事を定義する「資格等級制度」が無ければ、人事評価制度はあまり意味をもちません。「資格等級制度」「給与制度」「人事評価制度」が連動して初めて、組織としての人事戦略が動き出すのです。
人事評価制度、資格等級制度、
賃金テーブルの関係
人事評価制度、資格等級制度、給与制度(賃金テーブル)は、下記の図のように連動します。
当事務所の人事制度
構築支援サービス
当事務所では、総合的な人事制度の構築支援サービスとして、資格等級制度、給与制度(賃金テーブル)、人事評価制度の構築コンサルティングを行っています。
人事制度の構築にかかる期間は、初回打ち合わせから平均して約6ヶ月程度です。経営者もしくは人事担当者との全5~6回の打ち合わせを通して構築していきます。
人事制度導入にあたって、業種・企業規模は問いません。人事制度は、導入企業の実情や将来のビジョンを踏まえた上で、「あるべき姿」を示すような形で構築していきますので、最終的には導入企業オリジナルの制度が出来上がります。
社会保険労務士事務所が実施する人事制度構築支援ならではのサービスとして、人事評価制度に関連する就業規則・賃金規程の改定、人事評価規程の整備もパッケージ内に含まれます。また構築する制度に諸条件が課せられますが、お客様の希望によっては、人事評価制度の構築に対して支給される助成金の申請代行も可能です。
人事評価制度・賃金制度構築フロー
人事制度導入後の運用サポート
人事制度構築後は、当事務所が人事制度に造詣の深い全国の社労士と共同で開発に関与したクラウド人事評価システム「効果まんてん君」を導入いただくことにより、人事制度の運用サポートを実施します。
一般的に人事評価システムは、非常に高価で、中小零細企業には手の届かない価格帯のものが多いのですが、「効果まんてん君」は中小零細企業に人事制度を普及させる目的でデザインされたシステムですので、導入費用・運用費用も比較的お求めやすい設定となっています。
人事制度は、構築よりも「運用」が大事です。「作りっぱなし」ではなく、システムの運用サポートを通して、制度運用に伴走することで、人事制度の効果を最大限に引き出します。