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2025.10.07

Column

貴社の在宅勤務手当、払いすぎていませんか?割増賃金の計算基礎から除外する3つの方法

はじめに:貴社の「在宅勤務手当」、割増賃金の計算に含まれていませんか?

こんにちは。グスクード社会保険労務士法人です。

在宅勤務がすっかり定着した今、多くの企業様で「在宅勤務手当」が導入されていることと思います。この手当に関して、「従業員のために支給しているけれど、残業代の計算基礎にも含まれるため、会社の負担が意外と大きい…」と感じている経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

実は、2024年4月5日に厚生労働省から新しい通達が出され、一定の要件を満たす在宅勤務手当は、割増賃金(残業代)の計算基礎から除外できることが明確化されました。今回は、このルールについて、分かりやすく解説します。

これまでは「賃金」として割増賃金の計算に含めるのが原則でした

これまで、在宅勤務手当の多くは、その性質が明確でなかったため、原則として労働の対価である「賃金」とみなされていました。例えば、「月5,000円」のように金額を固定して一律で支給する「渡し切り」の手当は賃金に該当し、割増賃金の算定基礎に含めて計算する必要がありました。

新ルール解説:「実費弁償」なら割増賃金の計算から除外できます

今回の通達で、在宅勤務手当が「事業経営のために必要な実費を弁償するもの」、つまり経費の精算と同じような性質であると整理できる場合には、「賃金」に該当せず、割増賃金の計算基礎から除外してよいことが示されました。

「実費弁償」と認められるためには、主に2つのポイントがあります。

ポイント①:業務で使った費用を「精算」する形であること

手当が、従業員が実際に業務のために負担した費用を精算するものであることが、客観的に明らかである必要があります。したがって、先ほど例に挙げたような、従業員が実際に費用を使わなかったとしても返還する必要のない「渡し切り」の手当は、実費弁償とは認められません。

ポイント②:合理的・客観的な計算方法がルール化されていること

実費の計算方法が、在宅勤務の実態に即した合理的・客観的なものであり、その計算ルールが就業規則などに明記されている必要があります。

厚生労働省が示す具体的な計算方法とは?

では、具体的にどのような計算方法が「合理的・客観的」なのでしょうか。通達では、国税庁が所得税の計算で示すFAQを参考に、いくつかの方法が例示されています。

  • 方法①:国税庁の計算式を参考にする
  • 在宅勤務でかかった通信費や電気代を、国税庁のFAQで示されている計算式(業務使用分と私的利用分を按分する式)で算出し、精算する方法です。

 

  • 方法②:簡略化した計算方法(一定期間、金額を固定)
  • 毎回計算するのが大変な場合、過去数ヶ月の通信費や電気代の実績から1ヶ月あたりの業務利用額を算出し、その金額を最大1年間など、一定期間継続して支給することも可能です。

 

  • 方法③:1日あたりの単価を決めて日数分を支払う
  • 従業員数名の実費をサンプル調査して、実費額を超えないように1日あたりの単価(例えば1日200円など)を合理的に設定し、「単価×在宅勤務日数」で支給する方法も認められます。

 

最も重要な注意点:導入には「不利益変更」への配慮が不可欠です

これまで割増賃金の基礎に含めていた手当を、この新ルールに則って計算対象外とする場合、従業員が受け取る残業代が減ることになります。これは「労働条件の不利益変更」にあたる可能性が非常に高いです。

そのため、ルールの変更にあたっては、就業規則の変更手続きを適切に行い、従業員一人ひとりへ丁寧に説明し、同意を得るなど、慎重な対応が不可欠です。

まとめ:専門家へ相談し、適切な見直しを

在宅勤務手当を実費弁償として整理することは、企業にとって人件費の適正化につながる可能性があります。しかし、その導入には法的な手続きと従業員への丁寧な配慮が求められます。

この機会に自社の在宅勤務手当のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。具体的な計算方法や導入手順にご不明な点があれば、ぜひ当法人にご相談ください。
給与計算業務の代行

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