2023.11.17

Column

「130万円の壁」への対応措置を活用しませんか?

こんにちは。グスクード社会保険労務士事務所です。

最近ニュース等で「年収の壁」「106万円・130万円の壁」というワードを見聞きした方は多いのではないでしょうか。
今回は、パート・アルバイトで働く方が、収入が一時的に上がったとしても、
引き続き扶養に入り続けることが可能となる対応措置をご案内いたします。

まず、いわゆる「年収の壁」とは何なのかおさらいしましょう。
社会保険において、会社員の配偶者等で一定の収入がない方は被扶養者となり、保険料の負担が発生しませんが、
こうした方の収入が増加した場合、社会保険料の負担が発生することとなります。

保険料負担が生じると、その分手取り収入が減少するため、これを回避する目的で働き控え(就業調整)をする方がおられます。
こうした方が意識している収入基準(年収106万円や130万円)がいわゆる「年収の壁」と呼ばれています。

「年収の壁」対策としては、社会全体で労働力を確保するとともに、労働者自身も希望通り働くことのできる環境づくりが重要となっています。
「130万円の壁」については、繁忙期に労働時間を延ばすなどにより、収入が一時的に上がったとしても、
事業主がその旨を証明することで、引き続き扶養に入り続けることが可能となる対応措置が先月10月よりスタートしています。

対応措置の内容としては、以下の図をご覧ください。

今回の対応措置は、あくまで人手不足による残業(労働時間延長)に伴う「一時的な収入変動」である旨を事業主が証明する必要があります。
では、何をもって「一時的な収入変動」とみなされるのでしょうか。

まず、一時的な収入変動とは、主に残業(時間外労働)手当や繁忙手当などが想定され、該当する主なケースとしては、以下が想定されます。
・他の従業員が退職や休職したことにより、労働者の業務量が増加したケース
・業務の受注が好調または突発的な大口案件により、事業所全体の業務量が増加したケース

1点お伝えしたいのは、雇用契約書の内容を踏まえ、年間収入の見込みが130万円以上となることが明らかな労働者については、
対応措置の対象外となりますので、雇用契約書の作成・更新の際は労働時間などの内容にご注意ください。

以上となります。いかがでしたでしょうか。
事業主の皆さまは、物価上昇に伴い賃上げを行っても、働き控えをされてしまうとお困りのこともあるかと思います。
繁忙期に労働時間を延ばすなどにより、収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、
引き続き扶養に入り続けることが可能となる対応措置を活用し、労働者が希望通りに働くことのできる環境づくりを行ってみませんか?

詳細は厚労省のウェブサイト年収の壁・支援強化パッケージでご確認いたただけます。

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