2022.03.02

Column

いよいよ出てくる賃金債権時効3年化の影響

皆さんこんにちは。
グスクード社会保険労務士事務所です。

 労務管理、人件費を語る上では切っても切り離せない「残業代・未払賃金」。
もう時間が経過し、忘れてしまったかたもいらっしゃるかもしれませんが
令和2年4月に行われた労働基準法の改正により、この時以降に発生する賃金債権の時効が3年に延長されました。

条文を見てみると・・・

(時効)
「第百十五条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償
その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行われない場合においては、時効によつて消滅する。

あれ?と思われるかもしれませんが、これを見ると賃金請求権の時効が5年と書かれでいます。
ただし別の条文はこうも書かれています。

「第百四十三条 第百九条の規定の適用については、当分の間、同条中「五年間」とあるのは、「三年間」とする。
⓶第百十四条の規定の適用については、当分の間、同条ただし書中「五年」とあるのは、「三年」とする。
⓷第百十五条の規定の適用については、当分の間、同条中「賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間」とあるのは、
退職手当の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)の請求権はこれを
行使することができる時から三年間」とする。

つまり、これにより「当分の間」時効は
・退職金の時効は5年
・その他の賃金については3年
となっているわけです。

 

 施行されたのが令和2年4月からですので、今まではその影響が発生しておらず実感が湧かなかったかもしれません。
しかしいよいよ、今年令和4年4月から今までは時効消滅していた賃金債権が時効とならずに残り始めていきます。
ついに法改正の効果が発生することになります。

 皆さんの企業では適正な賃金支払いがなされているでしょうか。
今は3年ですが、そのうち5年になった場合、かなり高額な残業代等の請求発生が想定されます。
今一度労務管理を見直し、早めの是正を検討してみてはいかがでしょうか。

 

グスクード社会保険労務士事務所では、労務監査を承っております。
御社の労務管理における健康診断を行ってみませんか。

関連ページ:

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