2023.07.24

Column

1週間の法定労働時間が44時間になる「特例措置対象事業場」

こんにちは、グスクード社会保険労務士事務所です。

本日は、「特例措置対象事業場」についてご説明いたします。
通常、1週間の法定労働時間は「40時間」とされていますが、特定の条件を満たす事業場では、
法定労働時間を「44時間」とする特例措置が適用されます。
事業主の方々の参考になれば幸いです。

特例措置対象事業場とは

特定の事業の内、常時10人未満の労働者を使用するものについては、1週間「44時間」、1日「8時間」まで
労働させることができます。

常時10人未満とは

「常時10人未満」には、社員、アルバイト・パートを含めて人数のカウントをします。

特定の事業

特例措置対象事業場とは次に掲げる業種に該当する常時10人未満の労働者を使用する事業場です。

商業 卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、その他の商業
映画・演劇業 映画の映写、演劇、その他興業の事業
保健衛生業 病院、診療所、社会福祉施設、浴場業、その他の保健衛生業
接客娯楽業 旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地、その他の接客娯楽業

 

特例措置対象事業場の導入とメリット

特例措置対象事業場の導入する際には、「届出は不要」です。
通常の40時間労働から特例措置の44時間に変更する下記の対応検討が必要です。

36協定 時間外・休日労働の内容が変更となる場合は出し直しが必要です。
雇用契約書 労働者との契約内容が変更される場合は、新たに契約を締結する必要があります。
特に、労働時間を変更する際には、従業員に不利益になる可能性があるような労働条件の変更がある場合は、必ず事前に説明を行うことが必要です。
さらに、基本給の見直しを検討する際には、労働者の不利益を考慮し、公平な妥協点を見つけることも重要です。
労働条件の変更や基本給の見直しにおいては、従業員とのコミュニケーションを大切にし、納得のいく形で協議を行うことが、円滑な関係構築につながります。
就業規則 就業規則を作られている場合は変更が必要です。

 

導入メリット

事業主側のメリットとして下記の働かせ方をすることができます。
例)
1:月~金は8時間、土は4時間労働 (週44時間)
土曜日は午前のみ勤務をする、ランチタイムのみ勤務する運用ができます。

2:月~土を7:20勤務(週44時間)
所定労働時間を7:20にすることで週6日労働が可能です。

その他にも変形労働制と組み合わせることでさらにメリットを生むことができます。

まとめ

特例措置対象事業場とは、常時10人未満の特定事業を行う企業で、法定労働時間を40時間から44時間にすることができます。
これにより、残業代を削減することができます。労働時間を増やすことなく、
労働時間外にかかる経費を削減できるため、事業運営にとってメリットがあります。
ただし、1日の法定労働時間は8時間から変わりませんのでご注意くださいませ。
続編では、変形労働制との併用やデメリットについても触れていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いします。

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